2020年春からのコロナ禍の苦難が癒えぬ間に、2022年は激動が続いています。

嵐の時代に耐え、生き抜く知恵があるとしたら、人類共通の意識への目覚めといえるものかもしれません。

地球規模のコロナ禍や気候変動を教訓に、ロシアによるウクライナ侵攻が火種となって懸念される核戦争危機をはじめ、ポピュラリズムの台頭やエネルギー問題など、いま起こりつつあることが、人類全体の問題であることに、私たちはもはや目をそらすことができなくなっています。

 

逆風の先に見えてくるもの

人種や民族、文化や宗教の違いを超えて、地球の住人である同胞に対して寛容な気持ちを持つことで、利己に導かれた破壊行為とは対局にある「光と希望のみち」を選ぶことができます。

すべての生命が根本的に相互依存的に関係し合っているということを認識することで、人や動植物、鉱物や元素にいたるあらゆる存在のつながりと広がりの中で、自分の生が全体の一部であることに気づくことができるのではないでしょうか。

逆風の最中にあるからこそ、忍耐の中で「すべてが一つ」という意識や、新たなる連帯の次元に、多くの人々が目覚めているように思います。

 

広がりを宇宙へ

折から宇宙からの鮮明映像が届き、宇宙旅行時代も幕を開け、誰もが宇宙を意識する時代が始まりました。

宇宙という視野から眺めれば、地球そのものも一つの生命であり、宇宙の生命の一部なのです。

新しい意識や連帯の次元とは、宇宙的視野への広がりを持ちながら、地球の未来を真摯に顧みる心のあり様なのではないでしょうか。

 

中国清華大学での映像上映

(画像提供: 奈良県文化資源活用課)

さて、世界的な逆風の時代において、引き続き日本の原点である奈良の1400年の歴史と向き合い、未来へのメッセージを作品に託しています。

2022年の日中国交正常化50周年を記念する、中国清華大学と奈良県共催の展覧会におきまして、一昨年度に文化庁クラスター事業で制作した小映像作品「いまに生きる奈良 シルクロード東の終着点 1400年の精神文化の回廊」を上映させていただいています。

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展覧会タイトル:
「日中交流二千年 アジアをつなぐ美と精神」(9/24~12/4日)
場所:清華大学芸術博物館(北京)
展示品:出土品を中心とする180点(奈良県立橿原考古学研究所・博物館所蔵)
映像詩上映:「いまに生きる奈良 シルクロード東の終着点 1400年の精神文化の回廊 (by MIRO ITO)」(33分)
撮影協力(上記映像詩):法隆寺・薬師寺・東大寺・唐招提寺・西大寺・興福寺・春日大社・文化庁・奈良県・奈良市教育委員会ほか
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同展覧会では、日中交流の歴史を振り返る約180点の出土品や壁画が展示されています。「飛鳥美人」として知られる高松塚古墳壁画や法隆寺金堂壁画の複製陶板を含む、埴輪や土偶類が公開されています。また中国からは銅鏡などが陳列されています。

一方、映像作品の方は、英語版が上映されていますが、南都七大寺に数えられる古刹および春日大社の歴史を「聖徳太子から天皇政権」ごとに区切ってご紹介するものです。

展示品・出土品で紹介する古墳~飛鳥時代を経て、映像作品では飛鳥~奈良時代を中心に、日本文化の原点となった奈良の古社寺に受け継がれてきた有形無形の伝統や宝物の魅力を、総合的にご覧いただけるかと存じます。

同展覧会が「文化は国境を超える」の目標のもと、日中の2000年の文化交流史を通して、歴史的文化財や伝統を分かち合い、対話の大切さを訴える機会になればと願うところです。

(画像提供: 奈良県文化資源活用課)

映像作品「いまに生きる奈良 シルクロード東の終着点 1400年の精神文化の回廊 (by MIRO ITO)」は、奈良県文化資源活用課のYouTubeサイトでもご覧いただけます。

日本語版 https://www.youtube.com/watch?v=hes4hDE1lXI
英語版    https://www.youtube.com/watch?v=RjSWEDzltIU

 

こもりくの初瀬 特別展覧会

さて「芸術の秋」の今月、奈良県立万葉文化会館(奈良県明日香村)にて、15日から特別展「こもりくの初瀬 祈りのかたち」展が始まりました(11月27日まで)。

日本のはじまりの地であった大和中央部は、国中(くんなか)と呼ばれ、古来神々の霊場でした。

同展覧会では『万葉集』で「隠口(こもりく)の」と冠された大和・初瀬(泊瀬)にある、長谷寺の十一面信仰を基軸に、春日信仰や伊勢信仰と結びついて発展した歴史を、宝物を通して紹介するものです。

なお10月30日(日)には、同館にて特別展関連講演会 「日本のはじまりの聖地 大和四寺物語」 が開催されます。

大和四寺とは、創建1200以上の歴史を持つ、奈良中央部の長谷寺・室生寺・岡寺・安倍文殊院の四つの寺院の総称で、そのうちの室生寺山岡淳雄先生とともに、私も講師として参加させていただきます。

定員の半数までの入場制限のため、すでに満席の状態ですが、報道機関や関係者の方は、お問い合わせをいただければ、幸いに存じます。
https://www.manyo.jp/event/detail.html?id=381

講演会の模様は、後日ご報告させていただきたいと存じます。

同展覧会は11月27日までですので、飛鳥へお出かけの際には、ぜひご覧くださいませ。

それでは、朝露夕霧の肌寒い秋が深まりつつありますが、平和の大切さをますます痛感しながら、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。

令和4年10月吉日

MIRO ITO

追伸
アーティスト・映像作家としての雅号を「MIRO ITO」に改名いたしました。
「伊藤みろ」も、作品発表時以外で併用させていただきます。
今後とも倍旧のご愛顧を賜りたく、どうぞよろしくお願いいたします。

Text by MIRO ITO/Media Art League+Japan Authentic Heritage Initiative
Photos: MIRO ITO, MIXA, Nara Prefecture Cultural Resource Utilisation Division
All rights reserved.

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