Message メッセージ

1400年の文化継承の物語を未来へと紡ぐ
和み・つながる「メディア=アート+メッセージ」づくり

「本物の日本遺産イニシアティブ」は、1400年の文化継承が紡ぐ、日本の伝統力の粋と豊饒さを、世界に向けて新しい視点で発信する事業です。

日本文化の原点をシルクロード東の終着点である古都・奈良に求め、有形無形の文化が伝搬された数多の物語から、未来へのヒントを「見える形」にしていくのが、当イニシアティブの目的です。

それらの「見える形」を通して、古代よりシルクロード諸国からの大きな恩恵を受けた日本文化が「いま世界に対していかなる貢献をなしうるのか」ということが、当イニシアティブで提唱し、実践していきたい課題です。

世界はいまや気候変動や伝染病をはじめ、人種や民族、宗教や信条、政治制度の違いによる地域紛争やテロの脅威、社会の分断化や富・知識の格差拡大など、幾重もの差し迫った危機に直面しています。

その危機に対峙しうるのは、国境を超えた国家間の協力であると同時に、あらゆる分野の人々の「つながる力」なのだど思います。とりわけアートこそ、心をつなげる力であってほしいと願い、それを飛鳥・奈良時代以来の日本文化から焙り出し、混迷する現代へのヒントとして、発信していきたいという目標があります。

そのためには、日本文化の深層をなす精神文化の”水脈”を掘り当てる必要があります。それはとりわけ聖徳太子がおよそ1400年前に唱えた「和」のこころに求められますが、「本物の日本遺産イニシアティブ」では、「和(なごみ)のこころ」(*)と呼びたいと思います。

当イニシアティブでは、中期的な目標を、シルクロードの終着点である日本の奈良と世界を、美と叡智でつなぐ財団を、日本と北米に設立することに置いています。本サイトは、その趣旨やプロジェクトを紹介しながら、世界に広がるネットワークづくりを行う場として、活動していきたいと願う次第です。

分断化の進む世界にあって、アートで和み・つながる力を生かして、私たちが皆一つであること、古代の覚者たちが唱えた「コスモポリタニムズム(世界市民主義)」の意義を、いままさにインスパイアする「叡智のみち」を唱えていきたいと思います。

「本物の日本遺産イニシアティブ」
MIRO ITO 伊藤みろ
(*聖徳太子の憲法十七条「一に曰わく、和を以て貴しとなし」より。和の解釈は明石康氏の談話より)

室生寺  国宝 十一面観音立像 平安時代初期 (Photo by Miro Ito)