【ご挨拶】

2021年の奈良大菊人形展(10月30日~11月7日・奈良公園バスターミナル会場)開催にちなみ、記念講演をさせていただく運びとなりました。

本年の菊人形展は「聖徳太子没後1400年」をテーマに、聖徳太子と推古天皇、蘇我馬子など、聖徳太子と関わりのあった人物の菊人形が展示されます。

また同日に始まる本年の正倉院展(10月30日~11月15日、奈良国立博物館)のテーマは大仏造立です。752年の大仏開眼法要において、東大寺に献納された品々がまとまって出陳されます。

これら「聖徳太子1400年御遠忌」と大仏開眼供養会にちなんだ正倉院展を記念し、聖徳太子と聖武天皇の偉業に見られる「普遍のこころ」をテーマに、映像上映ならびに解説をさせていただきます。

 

映像詩「いまに生きる奈良」(製作:いかす・なら地域協議会、監督・撮影・文:Miro Ito)より

 

日本の二人の聖人 世界的な視点から見つめる偉業

私にとっての「心のすみか」である奈良の世界遺産・国宝・宗教行事を取材し始めて16年以上が経過し、奈良に始まる日本の精神文化を海外に発信する国際文化事業を、ライフワークとして、手掛けさせていただいてまいりました。

かつてNYで体験した「9.11同時多発テロ事件」を契機に、混迷に向かう世界への答えを求めた時、日本の1400年の神仏習合の伝統にたどり着きました。それ以来、日本の二人の聖人、聖徳太子と聖武天皇の偉業を取材し、多くの先生がたから学ばせていただきました。

世界的な視野から「聖人」と呼ぶにふさわしいお二人の業績を、微力ではございますが、二つの映像作品を通してご紹介しながら、解説をさせていただきたいと存じます。

「国のはじまりの地・奈良」へお出かけの際は、ぜひ足をお運びください。

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奈良菊人形展~国のはじまりの地・奈良~記念講演

「日本の二人の聖人 聖徳太子と聖武天皇~時を超える普遍のこころ」

講師:MIRO ITO (伊藤みろ)

主催:文化庁、日本芸術文化振興会、奈良県

日時:2021年10月30日(土)午後17:00~18:20

場所:奈良公園バスターミナル レクチャーホール

定員:150人(参加無料、先着順)

お申し込み: www.asahi-family.com/miro/

お問い合わせ:「普遍のこころ講演会」事務局 (Tel:06-6201-0638/平日10:00-16:00)

協力:いかす・なら地域協議会、法隆寺、東大寺

【プログラム】

❶ 映像詩「いまに生きる奈良」(前半)

 聖徳太子から鑑真和上の来日まで

❷ 解説

❸ 映像詩「大仏さまは生きている」

❹ 映像詩「いまに生きる奈良」(後半)

  南都六大寺と春日大社 シルクロード交流の証

 

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【同時開催写真展】

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「大和四寺 みほとけを荘厳する花景観 

長谷寺~室生寺~岡寺~安倍文殊院 Photo by Miro Ito

期間:2021年10月30日~11月7日

場所:奈良公園バスターミナル 1Fギャラリー

主催:奈良県

協力:奈良大和四寺巡礼の会、長谷寺、室生寺、岡寺、安倍文殊院

奈良県ビジターズビューロー

機材協力:キヤノンマーケティングジャパン

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長谷寺の桜 東側から本堂を望む

 

菊人形展と同時開催にて、疫病退散祈願の聖地である大和四寺における「みほとけを荘厳する花景観」をテーマにした写真展を、2021年10月30日から11月7日まで、奈良公園バスターミナル1Fで開かせていただきます。

奈良県中央部に位置する長谷寺・室生寺・岡寺・安倍文殊院の「大和四寺(やまとよじ)」は、いずれも1200年以上の歴史を誇る古刹です。

日本の曙の地である奈良県中央部には、かつて磐余(いわれ)・泊瀬朝倉・飛鳥・藤原京といった都が置かれ、古来「国中(くんなか)」と呼ばれていました。

そこは美しい自然全体が季節ごとに色とりどりに開花・紅葉し、極楽浄土にも比せられる、豪奢な花景観を見せています。

山々に囲まれた長谷寺・室生寺は、ほとばしる自然の輝きが季節ごとに、豊かな色彩の交響曲を奏でる別世界です。

長谷寺が日本最大級の観音様の「観音霊場」ならば、深い山奥に鎮座する室生寺は、女人禁制の高野山に対して「女人高野」として知られる聖地です。

「日本最古の厄除け寺」岡寺では、桜や石楠花で埋め尽くされた参道から、飛鳥の山々が一望でき、古代日本人の思いと出合うことができます。

また「日本三大文殊の一つ」安倍文殊院は、桜の名所・桜井にあり、春には桜、秋には満開の秋桜が荘厳する別世界となります。

岡寺 春の飛鳥を借景する枯山水

 

それぞれ花そのものが、みほとけの慈愛の賜物であることが感じられます。

大和四寺は、古くからの疫病退散の巡礼地として、治癒を求める参拝客が全国から訪れていますが、コロナ禍の収束への願いを込めて、ご案内させてくださいませ。

奈良公園バスターミナル屋上の菊人形展と併せて、ご鑑賞くださいませ。

MIRO ITO 伊藤みろ

Japan Authentic Heritage Initiative

Weaving Japan’s 1400-years of cultural legacy into a tapestry for the future

https://japan-authentic-heritage-initiative.org/

 

Photo & Text by Miro Ito. All rights reserved.

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